サブローが4番に座り9試合、7勝2敗。しかも2敗は、共に勝っていても不思議の無い、1点差のゲームだった。
以前、「4番サブローは、天才的オーダー」と書いたが、予想以上の結果が出ている。
ここで注目すべきは、4番サブローから始まるイニング。昨日までのゲームで11回あり、得点が入ったのは、実に6回。サブローから打順が始まると5割以上の確率で得点している。
俗に言う「1番からの好打順」と比較すると、得点率は4割に満たない。これも良い数字ではあるが、当然、投手の立ち上がりを突いての得点が多いので、いかにサブローからの打順は効率が良いか分かる。
4番としてのサブローは本塁打も打っているし、十分な成績なのだが、4番として”最”適任か?と問われれば少し物足りないと感じるのは何となく分かってもらえると思う。それは、ズバリ打点が少ないからだ。4安打で3打点というのが1試合あるものの、あれだけの得点が入りながらサブロー自身の打点が意外なほど少ない。しかし、確かなことは打線が繋がっているということだ。西岡と福浦の調子が明らかに落ちていたのに、そう思えたのはなぜだろう。
そこで立てた仮説が、サブロー=影の1番打者説。不調期に突入していた西岡と福浦が上位打線にいることで4番から始まるイニングが増え、自然と、本来持つ先頭打者としての適性が生かされたのではないかと考えた。パンチ力が有り、足も速いサブローは、いかにも1番打者タイプだ。しかし、チームには小坂、西岡、堀という上位打線向きの打者が多いため、1番サブローという選択肢が見過ごされていた。
調べてみると、仮説通り、4番に座ってからのサブローは、先頭打者での出塁率が高かった。先頭打者が出れば、打率の高いフランコ、今江が続くので得点率が当然高くなる。その後に李、パスクチと繋がれば得点出来ない筈がない。
では、素直にサブローを1番に固定すれば良いのでは?と考えるが、実は、そうすると不都合が出る。李やパスクチは波が大きい打者で、中軸に入ると気負うのか、率が大きく落ちる。見かけ上の7,8番打者なら相手のマークが薄くなるし、心理的にも楽だ。
1~3番は、球数を投げさせる、相手投手にとって嫌な打者。4番~6番がチャンスメーカー、下位打線は長打力があるポイントゲッター。という具合に、理想とされるオーダーから3人ずつずれている形になる。こんな風に、改めてスタメンを眺めると、実に良くできた天才的オーダーではないか?
昨日、パスクチに代わりベニーが登録された。これで奇跡の打線も終了かと見ていたが、何と、ここ3試合ヒットの無いフランコを3番に上げ、4番はサブローで固定、5番は逆に復調してきた福浦、それから、6番ベニー、7番李、8番今江と続くオーダーを組んできた。ひょっとしてボビーは確信犯かもしれない。
なお、得点を挙げたイニングは、いずれも先頭打者がサブローであったことを付け加えておく。